疾患解説

内臓蓄積肥満

  CTを用いた肥満症の研究によって、内臓に脂肪が蓄積するいわゆる内臓蓄積肥満では、高脂血症、糖尿病、高血圧が起こりやすい状態であると認識されていましたが、狭心症や心筋梗塞などの動脈硬化性疾患症例の内臓脂肪面積をCTで調べたところ、肥満症が無くとも疾患群では内臓脂肪面積が大きい事が解ってきました。
  この知見を敷延して内臓蓄積肥満を改善する事によって動脈硬化性心・血管疾患の発症を予防する事ができると考えられました。
  現在、検診にて、血糖、血圧、脂質、肥満を認めた人には、労災保険による内頸動脈エコー検査や運動負荷心電図などの動脈硬化性疾患防止のための二次検診が行われています。これも、内臓蓄積肥満を基盤とした動脈硬化性疾患を早期に発見して防止するためのものです。